ブラジル日本移民史料館
史料館概要

ブラジル日本移民史料館は、移民70周年祭の記念事業として1978年6月18日にオープン。当時の皇太子・明仁親王殿下(今上天皇)と美智子妃殿下、ガイゼル大統領(故人)によって開館されました。

ブラジルに渡った日本移民の記録を保存し、後世にその歴史を伝えながら、ブラジル社会に普及するという使命のもと、文協が運営管理しています。

史料館はリベルダーデ区にある文協ビルの7、8、9階に位置し、展示面積は1592㎡です。

7階と8階の常設展示室は1978年に設置され、日伯関係の始まりである「日伯修好通商航海条約」(1895年)の写しや、笠戸丸の第1回移民(1908年)に関する物品、1913年以降にコロノから独立農を目指す、原始林開拓時代の生活や混合農業の様子なども展示しています。

2000年9月に開設した9階は、「戦後50年史」の常設展。第2次世界大戦後の半世紀に焦点を当て、日系社会の変化や日本企業の進出、ブラジル社会における日系人の活躍などを取り上げています。

7階展示解説

1. 日本人の海外移住

表面入口にステンレス製の世界地図が掲げてあり、ハワイ、北米、ペルー、ブラジルの移民年が記載されています。併せて明治の中・後期における風俗が刻まれています。



2. 日伯関係の幕開け

日伯修好通称条約の写し(日伯両語)、ブラジルの調査報告書などの文書、移民契約交換文書、移民の下地を作った笠戸丸以前の渡航者の肖像が展示されています。




3. 新天地ブラジル

第一回移民が着いた1908年当時のブラジル、特にヨーロッパ移民の入植地を示す地図、その先のパネルには移民たちが乗ってきた移民船の写真が展示されています。



4. 笠戸丸の移民たち

笠戸丸の模型、移民の旅券、当時のサントス港、上陸の際の移民婦人の写真が展示されています。




5. 出航から配耕まで

旧神戸移民収容所、出航風景、サンパウロ移民収容所、船内の様子の写真 契約書、渡航許可書、移民輸送監督報告書などが展示されています。このコーナーの前にはブラジル丸一世の模型が展示されています。


6. コロノ時代

コーヒー採取の風景画を背景にして、労働者が使用した生活用品、労働手帳、コーヒー収穫伝票が展示され、その先にはVTR装置によって「コロノ生活の思い出」が映し出されています。



7. 原始林の開拓

原始林の伐採、山焼き、住居作り、蒔きつけなどのイラストを背景に、開拓時代の移民たちの身近にいた動物の剥製が置かれています。



8. 移民の開拓小屋

開拓小屋の模型と、屋内には移民たちが携えてきた生活用を展示してあります。




9. 植民地の建設

開拓小屋の横にある標柱はアリアンサ植民地の入植記念碑です。このコーナーにはアリアンサ移住地の地区割図、各植民地の風景、手書きの教科書、教育機関誌 など植民地の団体生活と子弟教育の実情を感じることができます。


10. 移住者の知恵・工夫

マンジョカすり機、とうふ製造機、手回し精米機、アルマジロ捕獲器など移民たちが創意工夫して作った生活用品が展示されています。



11. 大武和三郎と上塚周平

1889年に渡伯した大武和三郎が日本人として始めて出版した「葡和辞典」「和葡辞典」と関連資料が展示されています。上塚周平の愛用した机と胸像が展示されています。



12. 移民の楽しみ

植民地でのスポーツで使用した用品と、屋内での娯楽、趣味の数々が展示されています。入植者が楽しみにしていた素人芝居、巡回映画などの写真も展示されています。


13. 奥地型農業の推移

日本移民がコロノから自作農に連関する時期、原始林を購入しコーヒー、米、綿、とうもろこし、フェジョンなどを栽培する自営開拓農のコーナーです。



14. 近郊型農業の創始

奥地農業から離脱してサンパウロ近郊地帯に移動して、野菜、果樹、養鶏などに 従事した、日本人の特性を発揮した農業を写真と資料で展示してあります。



15. 熱帯農業の振興

アマゾン河流域に入植した日本人が、自らの手で導入したジュート、胡椒で地域経済の一翼を担うほど活躍しています。




16. 移住者の保険

1938年に落成した日本病院(現在のサンタ・クルス病院)が当時の最先端の技術と医療器具を備えていたことを示す展示コーナーです。

8階展示解説

17. 新しい栽培種の導入

イグサ、紅茶、ラミー麻が導入された移住地が地図で示されています。ラミー麻を原料とする製品、ゴザ織り機、ラミー脱皮機の実物、栽培収穫状況を示す写真が展示されています。




18. 集約農業の誕生

トライビジョン装置で開拓前線の農耕地、大型農業における飛行機による薬剤散布、近郊の農業風景を映し出しています。




19. 農協運動の芽生えと発展

日本移民で創始された「コチア」「スール・ブラジル」の本部の写真とそれらの文書資料。1930年代に日系産業組合の分布図を示し、VTR装置では日系組合結成の一号といわれる「日伯農業シンジケート」を初めとした日系組合の歴史的歩みと現在の活動が示されています。



20. 都会生活への第一歩

奥地から出てきた移民たちが住み着いたコンデ街界隈の住居地図と生活風景を吊りパネルの写真で展示し、歯科医第一号免許証、洗濯店開店許可証などを展示してあります。




21. 産業の育成

大きなピンガ(さとうきびから作った蒸留酒)の樽を中心に湾曲した壁面を利用したこの展示コーナーは、初期の醤油工場、精米所、農機具製作所、煉瓦工場などの写真とともに、日本から移住した商社、金融、開発会社などの写真を展示してあります。



22. 戦争という長いトンネル

展示通路を狭くして天井を低くして激動と模索の時代を象徴しています。外国語新聞発刊取締令、外国語教育禁止に関する新聞報道、国防献金、軍用機献納運動の歴史文書も展示されています。日系コロニアの混乱と動揺は"勝ち組/負け組"(信念派と認識派)双方の実物資料によって理解できます。


23. 戦後日系社会の黎明期

日本語による新聞の発行、スポーツ選手団、日本芸能団の訪問などの写真が展示されています。




24. 日本移民の再開

戦後移住の先鞭をつけた松原安太郎、辻小次郎の写真をはじめ、連邦および事業団の移住地分布、戦後移民の出航、上陸風景、生活情景などを写真で展示しています。



25. 日本企業のブラジル進出

日本の経済成長、ブラジルの経済発展とともに農業移民に代わって日本企業の移住が盛んになり、両国は新しい局面を迎えました。代表的進出企業であるウジミナスとイシブラスの工場を写真で展示し、進出企業の営業分野別グラフを掲げて参考資料としてあります。



26. 斉藤広志特別展示室

初代館長である斉藤広志博士の名をつけた特別展示室。テーマを選んだ特別企画展やイベント会場として使用しています。

9階展示解説

27. 二国間関係の新たな幕開け

1952年4月対日講和条約が発効され、1953年1月に近親呼び寄せの形で戦後第一回目の移民が始まりました。戦前に移民してきた一世は出稼ぎ思考からブラジル定着傾向に意識が変わってきました。養蚕移民、コチア青年移住、それに伴う花嫁移民などの移民形態を基盤として戦後移住は発展してゆくことになります。1973年からは「移民船」に代わる空路による移住へと移行し実質的な移住は終焉を迎えます。関係写真を背景にこれらの資料を展示してあります。

28. 日系社会の変動

一世移民がブラジル永住を決意することにより生活スタイルに変化が見られます。先ず子弟を教育しブラジル社会に積極的に参加してゆきました。日系社会にみられた変化は職業の多様性と一世世代の退潮です。非日系人との結婚が多くなり「日系コロニア」の境界線が不明になってきます。また日本語教育の問題も日系、非日系を問わない新しい日本語教育体制への転換が求められています。 関係写真を背景に、これらの日系社会の変動資料を展示してあります。

29. 新しい時代の発展

1980年台当初、ブラジル経済の悪化から始まった日系人の日本での就労、「デカセギ」という大量の逆流が起こり、今なを続いており日系社会のあり様の予測は難しいものがあります。両国間の交流も移住を中心に一方通行でしたが、いまでは学術部門、スポーツ部門の交流、地方自治体レベルでの交流が行なわれています。日系人のブラジル社会との統合が深まり、今では連邦、州、市の政界のみならず、実業界、芸術部門などあらゆる分野で活躍しています。展示番号27,28,29の背景にある写真を眺めてゆきますと、戦後の日系社会の変動を読み取ることが出来ます。

30. 東郷青児の絵画「移民開拓風景」

東郷青児画伯(1897~1978)の寄贈による「移民開拓風景」とよばれる大きな壁画が二枚展示されています。各々が7.3mx2.1m、7.8mx2.1mで1978年に完成した画伯の絶筆です。




31. 行事・展示スペース

特別企画展会場でありイベント会場として使用しています。






3階には史料館事務所、図書室と資料収蔵庫があり、そこには物品約5千点、文書(日記、本、新聞、雑誌など)2万8千点、写真1万点等を保管しています。3階で行われている主な活動:

1-資料の登録、及び整理

2-資料の保存と修復

3-デジタルアーカイブ作成

4-史料館の広報活動(サイト作り等)

5-イベントの企画、及び製作

6-教育活動(史料館案内、ワークショップ、実習生受け入れ)

7-研究者、学生などの調査への対応

8-史料館運営

史料館はこの他、イビウナ市にある文協の国士舘センターに移民が使用した家具、道具、農機具など大きな資料が保管されています。

ミュージアム・ショップ

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ブラジル日本移民史料館はブラジル日本文化福祉協会によって運営管理されている。

このホームページは、レアル銀行(現サンタンデル銀行)及びUBIK IT SOLUTIONSの スポンサーのあった足跡プロジェクトの一環として実現が可能となった。 UBIK